教育訓練給付制度とは?対象者になる条件やメリット・デメリット
「教育訓練給付制度ってなに?」
「どんな人が対象なの?」
「どのくらい給付されるの?」
こういった方に向けて書いています。
教育訓練給付制度とは簡単にいうと、働く人のための補助金制度です。
一定の条件を満たす人が厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講・修了すると、給付金支給対象となります。
支給額は受ける教育訓練ごとに異なりますが、もっとも少ない場合でも受講費用の20%です。
この記事を読むと、教育訓練給付制度の概要やメリット・デメリットについて知ることができます。
費用を抑えつつ、就職や転職、キャリア形成したい方はぜひご覧ください。
教育訓練給付制度とは?
教育訓練給付制度とは、とした給付金制度のことです。
厚生労働省が定める教育訓練を受講・修了した場合に費用の一部が支給されます。
教育訓練は大きく分けると以下の3種類で、それぞれ目的が異なります。
種類 | 目的 |
専門実践教育訓練 | 中長期的なキャリア形成 |
特定一般教育訓練 | 再就職や早期のキャリア形成 |
一般教育訓練 | 雇用の安定と就職の促進 |
支給額の違いについては後ほど解説します。
支給対象者になる条件
教育訓練給付の支給対象者になるためには雇用保険の加入期間などの条件を満たす必要があります。
以下の2パターンごとに支給対象者になる条件がやや異なるため、ご自身の現在の状況に当てはまる方をご覧ください。
受講開始時点で在職中かつ雇用保険に加入している方
今までに教育訓練給付を受けたことがない場合は、雇用保険の加入期間が1年以上あれば支給対象者となります。
ただし、専門実践教育訓練を受講する場合は加入期間が2年以上必要です。
また、1度でも給付を受けたことがある場合は、前回の受講開始日以降、雇用保険の加入期間が3年以上あることを条件に支給されます。
受講開始時点で働いていない、もしくは雇用保険に加入していない方
離職から1年以内かつ前職で1年以上雇用保険に加入している場合であれば、「受講開始時点で在職中かつ雇用保険に加入している方」と同様の条件で支給対象者となります。
ただし、離職から1年を超えている場合や前職での雇用保険の加入期間が1年に満たない場合は、教育訓練給付を受けることができません。
万が一、教育訓練給付の条件を満たさなかった場合は、ハローワークの「求職者支援訓練」を利用することで、受講料無料の職業訓練を受けることができます。
給付金支給額
給付金支給額は教育訓練の種類によって異なります。
種類 | 給付率 | 上限支給額 |
専門実践教育訓練 | 受講費用の70%(最大) | 年間56万円(最長4年) |
特定一般教育訓練 | 受講費用の40% | 20万円 |
一般教育訓練 | 受講費用の20% | 10万円 |
教育訓練に時間がかかるものほど、給付率や上限支給額が高く設定されています。
自動車免許の取得を目指す場合は、教習所にもよりますが「特定一般教育訓練」か「一般教育訓練」のどちらかです。
支給対象となる運転免許の種類
支給対象となる運転免許の種類は以下のとおりです。
・移動式クレーン運転士免許
・大型自動車第一種免許
・大型自動車第二種免許
・大型特殊自動車免許
・けん引免許
・準中型自動車第一種免許
・中型自動車第一種免許
・中型自動車第二種免許
・普通自動車第二種免許
・クレーン・デリック運転士免許
教育訓練給付制度はあくまで雇用の安定や就職の促進を目的としているため、普通自動車第一種免許は対象となっていません。
また、自動車免許の他に以下のような講習も対象となっています。
・高所作業車運転技能講習
・小型移動式クレーン技能講習
・車両系建設機械運転技能講習
・ショベルローダー等運転技能講習
・玉掛技能講習
・フォークリフト運転技能講習
・不整地運搬車運転技能講習
・床上操作式クレーン技能講習
より詳しく知りたい方はこちらから教育訓練の講座やスクールについて、検索することができます。
教育訓練給付制度のメリット・デメリット
一見メリットしかないように見える教育訓練給付制度ですが、デメリットもあります。
ここでは教育訓練給付制度のメリット・デメリットについて解説していきます。
メリット
教育訓練給付制度のメリットは以下のとおりです。
費用を抑えつつ、資格取得やスキルアップできる
教育訓練給付制度を利用すれば、資格取得に関する費用の20~70%がハローワーク(公共職業安定所)から支給されます。
資格取得の他にも、スキルアップにつながる講習を受けることができるため、これから自分の市場価値を上げていきたい方にとってメリットの大きい制度です。
就職や転職につながる
教育訓練給付制度の目的は働く人のためのキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進です。
そのため、資格や講習の内容も、実務に直結するものが多く、就職や転職に繋がりやすい制度となっています。
就職や転職をしたいが、何をしたら良いか分からない人でも、今やるべきことやゴールが見えやすいというメリットがあります。
デメリット
途中で挫折した場合にはすべての費用が自腹になる
教育訓練給付制度を利用し、講座を受講し始めたとしても給付金が必ず支給されるわけではありません。
受講した講座の修了認定基準(出席率、課題の提出状況、修了認定試験など)に基づいて、受講内容が身についていることの確認を行い、修了を認められる必要があります。
修了が認められない場合には講習にかかった費用が自腹となります。
手続きが面倒
給付金を受けるためには講座を受講・修了した後、支給申請手続きを行う必要があります。
期限は修了日の翌日から1か月以内です。
また、疾病、負傷または在職中であることを理由にハローワークへの来所が難しいと認められない限り、代理人や郵送による書類の提出は認められていません。
つまり、基本的にはハローワークに足を運ぶ必要があるわけです。
就職や転職を考えているなら教育訓練給付制度を利用しよう
教育訓練給付制度には自腹になる可能性があったり、手続きが面倒だったりというデメリットはありますが、就職や転職をしたいなら利用するべきです。
大型免許や宅建、自動車整備士、税理士など、1度取得してしまえば、就職や転職をしやすくなる取得が多くあり、その講座を安く受けることができます。
必要なものはやりきる覚悟だけです。